ZEN CLUB

2023年 01 月号 Number. 549

不動産・建設関係のトレンド

暮らし方に合わせて自由自在 人気復活!「土間」の魅力

暮らし方に合わせて自由自在 人気復活!「土間」の魅力

日本の家屋に欠かせなかった「土間」

 日本の生活様式が近代化するにつれ、その用途は縮小し、単なる玄関の靴脱ぎ場に姿を変えてしまった「土間」。しかし今また、現代の住宅においても魅力的な空間として、そのあり方が見直されています。そもそも「土間」とは何でしょうか?

日本家屋では、外から入った玄関口と、履物を脱いで上がる居室との間に土間が作られていました。土足で歩ける空間として地面とほぼ同じ高さに作られ、地面より高く作られた居室と区別されます。近年ではあまり見かけなくなっていましたが、最近の古民家ブームでまた目にする機会も増えたのではないでしょうか。

土間は掃除がしやすく、火や水を使っても床が腐る心配や燃え移るものも少ないため、主に台所や作業場として利用されてきました。商家では土間に商品を陳列することで、外から来た客は履物を脱がずに商品を購入することができます。このスタイルは今も、住居を兼ねた昔ながらの商店などによく見られます。土間は単なるスペースではなく「外と屋内の中間」という、他の部屋にはない意味を持つ空間であるわけです。

最近はこの「土間ならでは」の存在感に注目が集まり、自分らしい暮らし方に合わせて取り入れる人が増加、新築はもちろんリノベーションでも土間人気は顕著に表れています。素材は耐久性が高く手入れもしやすいモルタルやコンクリートが一般的ですが、最近では多種多様なカラーやテクスチャーが選べるタイルやクッションフロアで仕上げたものなど、バリエーションも豊富になりました。

今見直される新しい「土間」のかたち

住宅ローンを組む場合、定年退職までに完済でき、かつ毎月無理のない金額に設定するのが基本です。

住宅ローンの金利には3つのタイプがあり、低金利のものに多い「変動型」や「固定期間選択型」は、結果的に返済額が上がる可能性もあります。一方で「全期間固定型」は、金利が高めですが、変動がないため資金計画を立てやすいのがメリットです。

リフォームローンは、借入限度額が1,000万円未満であることが多く、住宅ローンと比べて審査も簡潔なことが多いのが特徴です。

注意したいのは、住宅ローンと比べて金利が高いこと。住宅ローンがある方の場合、ローンの借り換えを行うことでリフォーム資金を捻出することも可能です。具体的には2つの選択肢があります。1つ目は住宅ローンを金利の低いものに借り換える方法。月々の支払額で浮いた分をリフォームローンに当てることができます。

もう1つは、住宅ローンとリフォーム費用を一本化する「リフォーム一体型住宅ローン」に借り換える方法です。総返済金額が増える可能性もありますが、月々の支払額を抑えたいという方にはおすすめの方法です。

国や自治体が提供している補助金・助成金も要チェック

土間を作るとなると広い敷地がないと無理なのでは、と諦める声も聞きます。しかし土間があることで解決できる住まいの悩みもあります。

例えば収納。家族全員の履物も全てきちんと整理できるだけでなく、コートや帽子も収納できるクローゼットを玄関横に設置することで、ウイルスや花粉を室内に持ち込まないようにできます。スポーツ用品やキャンプ用品、自転車なども、土間があれば砂や泥を気にせずそのまま置くことができます。戸建だけでなくマンションにも土間が人気なのは、こうした収納面のメリットが大きいかもしれません。

居住スペースと直接つながるビルトインガレージとしても注目されています。ガレージとは車庫や駐車場の事をいいますが、単に車や自転車を置くスペースというだけでなく、工具や作業台も設置してメンテナンスや修理もできるようにしたり、リビングから大切な愛車を眺められるように工夫されたものもあり、防犯面でも安心です。

また、DIYやホビー系の塗装やサンディング(やすりがけ)などの作業も室内ではしにくいもの。庭でやるという人も多いですが、庭がなくても土間があれば季節や天候に左右されず、いつでも存分に趣味に没頭できます。土間の存在は、暮らしを豊かにしてくれる鍵になるかもしれません。

「自分らしさ」が詰まった空間づくりを

機能的にもメリットの多い土間ですが、もちろん注意しなければならない点もあります。冬場には地面からの冷気が上がってきやすく、隣接したスペースまで底冷えする可能性があり、また構造によっては夏場も熱気がこもるので、空気の循環や空調はよく考えておく必要があります。

実際に土間のある家を考えるとき、間取りはもちろんですが床材選びも大事なポイント。家の内部とつながっているので、床素材もインテリアの重要な要素です。使う素材によって費用に大きく差が出ますので、予算に合わせて考えてみましょう。

土間を何に使うのかは住む人それぞれ、自由なだけに千差万別。「もしも我が家に土間があったら」と想像するだけでもワクワクしてきませんか?

TOPIC

収納力抜群のタイル仕上げの土間
コンパクトなスペースにもシューズクローゼットやコートハンガーを組み込み、収納力抜群のタイル仕上げの土間。
作業スペースにした土間
ビルトインガレージの一角に設置した作業スペース。野球道具のメンテナンスなどもここで作業。
自転車は外から帰ってそのまま土間に
自転車は外から帰ってそのまま土間に。限られたスペースも浮かせる収納で広々使える空間に。盗難防止の面でも屋内なら安心。