ZEN CLUB

2022年 10 月号 Number. 546

Interior Idea

〈ヴィンテージ照明〉10 秋の夜長を 彩る灯り

照明はただ明るさのためだけではなく、光と影や色によって広さや温度までも演出できます。
そして照明器具そのもののデザインもインテリアのスタイルを決める大事な要素。
長い時を経た味わいをまとったヴィンテージのぬくもりは、秋の夜によく似合います。

インテリアアイディア:〈ヴィンテージ照明〉10  秋の夜長を 彩る灯り

ロングセラーの10灯シャンデリア「OCH006C」は、真鍮無垢の部品で組み立てており、経年変化で表情が変わる真鍮素材ならではの魅力を存分に楽しめる。天井の高さに合わせてチェーンの長さの指定も可能。他に6灯タイプもあり。

下ろし立ての新品もワクワクしますが、長い年月を経なければ出せない趣というものもあります。とくにインテリアの世界では、製造から100年以上経過した“アンティーク”や100年未満の“ヴィンテージ”の愛好家も多く、世界中で愛されてきました。

古き良き時代の空気を醸し出すヴィンテージでインテリアを統一したいという方は少なくありませんが、そこでプランを立てはじめるとぶつかることが多い問題に「照明」があるといいます。東京・目黒通り沿いのヴィンテージショップ「Point No.39(ポイントナンバーサーティーナイン)」代表取締役社長 杉村聡さんにお話を伺いました。

「以前お客様から、ヴィンテージの家具でインテリアを揃えたいけれど一点ものが多くてなかなか揃わない、とくに照明があちこちバラバラなのはいやだし、古いものに電気を通すことに不安もある、とご相談をいただきました。それをきっかけに、ヴィンテージの良さを生かしつつ現代の生活でも使いやすい、修理や交換も容易な部品と組み合わせたオリジナルの照明を作ることにしました」

ひと昔前の時代は、今では考えられないほどの手間をかけて部品や商品を作っていましたが、当時の金属製品や木製品をそのまま今の時代に作ろうとすると現実的ではない金額になってしまいます。そんな時代に作られたこだわりの真鍮パーツや、日常使いされてきた隠れた名品をアメリカや世界各国から探し出し、配線やソケットなどを日本の規格に合った新品に交換し生まれ変わらせたヴィンテージの照明が、Point No.39の自慢の逸品。

「1点1点手作りしている新品のオリジナル照明も定期的に手入れすることで長くご使用いただけるものです。経年変化を楽しみながら、将来アンティークと呼ばれる照明器具に育てて頂けたらという思いで1点1点丁寧に作っています」

吟味を重ねて選んだ照明はその部屋の主人の歴史を照らしながら、いつしかアンティークへと成長します。時の流れに思いを馳せつつ、温もりの灯りに包まれて秋の夜長を楽しんではいかがでしょうか?

照明は全て自社内にて受注製作。アメリカの契約メーカーから部品を調達しているが、希望通りのものが見つからない時は一から作ることも。

電球が世の中に出回った頃の照明によく使われていた真鍮は耐久性もあり、その独特の経年変化の妙を現代に蘇らせるべくこだわりを持って制作している。

POINT NO.39

POINT NO.39

  • 東京都目黒区下目黒6-1-28
  • tel:03-3716-0640
  • access:JR・東急・地下鉄「目黒駅」徒歩17分
  • https://clownandsons.co.jp/