多摩川の河川敷にほど近い大田区鵜の木。周辺はほとんどのマンションがワンルームの地域です。

しかし、建築家の伊藤潤一氏は、子どもたちの通学路となっている様子をみて、彼らにも何かを訴えかけることができるファミリータイプの建築を提案。RC壁と木々に囲まれた外観が特長的な集合住宅が完成しました。

「例えばペットは散歩や食事など世話が大変ですが、それが人の心の癒しとなります。

この集合住宅では1本の木を新たな家族の一員として迎え入れ、育ててもらうという条件で入居いただくことにしました。育てるという厄介さを引き受けることで、自然とともに暮らす豊かさ、木を育てる喜びがついてくる―そういうコンセプトはどうですか」と建て主様に提案されたそうです。

時の経過とともに老朽化しても、変化することで味わいや深みを帯び、1本1本の木々が家族にも通学する子どもたちにも季節の変化を感じさせてくれるでしょう。