一級建築士までの道のり 〈1〉
一級建築士になったのはちょうど3年前3月、36歳の時でした。それまでに5回受験をし、申込だけして試験会場に行かなかったことも何度かありました。
忘れもしないのは24歳で初受験をした日、試験会場で大学の友人に偶然会った際の第一声が「けんちゃんも受けるの?!」でした。とっさに「とりあえず受けるだけは…」と答えたと思います。修士課程を終えて設計事務所に就職した友人からすると、学士のみで不動産会社の建築営業(当時は実務経験として認められていました)をしている私が「ほんとに受かるの?」という意味が含まれていたように感じました。
資格学校への通学もフェードアウト気味だった当時の状況から反論することもできず、「記念受験」を見抜かれてしまったことを恥ずかしく感じたのを憶えています。その恥ずかしさを材料に奮起して勉強できれば良かったのですが、気が付くと10年近くもダラダラと「記念受験」「記念申込」を続けていました。
そんな私を変えたのは、ある事業との出会いでした。
文:株式会社ZENホールディングス
代表取締役社長 松瀬 賢亮