ZEN CLUB

2025年 04 月号 Number. 576

コミュニケーションをグッと円滑に!

伝わる言葉の活用術

人間関係を円滑に進めるために欠かせないコミュニケーション力。特に言葉の使い方については、上手に伝わるポイントを知っていれば、さまざまな場面で役立ちます!

言いにくいことを伝える際の言葉

反論やクレームを伝える、誘いを断るなど、自分から切り出すのは苦手な方が多いものです。

「こんなことを口にしたら、嫌われるかもしれない」「上司の間違いを指摘したら、あとが怖い」などと考えるのも分かります。

しかし気持ちを言葉にするのは自然なこと。それが相手にとって好ましくないものであっても、伝えなければ後に大きなトラブルが生じることもあります。

まずは、伝えたいという心を抑え込む必要はないと捉えましょう。その上で言いにくいことも「切り出しの言葉」を知っておけば大丈夫。問題なく、本題を伝えられるでしょう。

良い例・悪い例

bad 「実は、その…」「え~と、あの…」

言いにくいことを伝えようとすると、「実は、その…」などと誰しも前置きが長くなり、なかなか本題に触れられず、相手はイライラします。そんな様子を目にすれば「やはりやめます」などと、発言を控えようとしがちに。

さらに相手から「今、伝えて」などと言われれば、焦りはピーク。そこで勢いに任せてストレートな物言いをすれば、人間関係は最悪になりかねません。

「たいへん申し上げにくいのですが」

自分から相手の間違いや勘違い、クレームなどを伝え、誘いや頼み事を断るときにも使える「切り出しの言葉」です。

これには「今伝えなくては、問題が生じかねない」という、相手の立場を尊重したニュアンスがあります。このように切り出せば、相手は真剣に聞く姿勢になるので、後に続く本題を誤って解釈することもなくなります。

「私の勘違いかもしれませんが」

明らかに相手が間違った解釈や言動をしていたとしても、ストレートに「それは違う」と言われたら、気分を害するのは明らか。そこは一歩退いて、「私の勘違いかもしれませんが」と切り出してから「○○ではなくて□□ではないでしょうか?」などとお伺いを立てるのが効果的。

この言葉には、さり気ないですが反論のニュアンスもあり、相手は冷静に考えることができる上に面目も保てるため、人間関係に問題が生じることはありません。

監修:臼井由妃

監修:臼井由妃

著述家・講演家・起業コンサルタント。「マネーの虎」への出演をはじめメディアへの出演も多数。コミュニケーションや話し方をテーマにした著書も豊富で、宅地取引士や行政書士などの資格も保有。