ZEN CLUB

2024年 10 月号 Number. 570

かたりべ雑記

モノづくりとノーベル賞

今年もノーベル賞発表の季節となりました。毎年、日本人の名前が発表されるのを楽しみにしていますが、理系分野に限って言えば、今後の期待が薄いとの意見を耳にすることが多くなりました。

その理由として、大学および大学院、特に博士課程の人材育成が不十分であることや、小学校時代からのSTEAM教育への取り組みが不足していることが指摘されています。

ちなみに、STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせた教育概念です。

ノーベル賞は、モノづくりの最上流ともいえるScience分野における基礎研究が主な対象となっていますが、日本のモノづくりの強みはScienceからEngineering、さらにTechnologyという川下分野、すなわち職人芸にあるという見方もあります。

しかし、ドローン、スマートフォン、ロボット掃除機、3Dプリンターなどの『原型』は日本発ですから、発明力は決して捨てたものではありません。発想をうまく育てて『事業化』していくプロセスや人材育成を見直す必要があるのではないでしょうか。

(K.Y.)