ZENグループ施工実績FILE66 神宮前マンション
「関係を育む仕組みを作る」という思いを込めて
東京都渋谷区神宮前 2024年1月竣工 設計者:awn 撮影:アック東京
隣近所とのコミュニケーションが希薄になり、孤立の度合いがますます深まっている現在、地縁による支え合いの文化をもう一度見直そうとする動きが、若者や高齢者たちを中心に広がっています。住人が日常的に行き交い、ゆるやかなつながりを生み出す両側町のような空間。
長屋の伝統を継承しつつ、これからの時代にふさわしい暮らしのあり方を提案するのが、今回ご紹介する共同住宅「神宮前マンション」です。
「神宮前マンション」には多様なサイズの住戸が各階に用意されており、スタジオや店舗、オフィスなどの幅広い用途にも対応し得る懐の深さを備えています。
トップダウンで決定するのではなく、さまざまな人たちのアイディアを尊重して、みんなで共有したからこそ実現できたプロジェクトです。
向かい合う住戸の壁面はガラス張りとし、透明度に濃淡の差を設け、視線が抜ける部分とそうでない部分を調整することで必要なプライバシーを保ちつつ、通路には生活の雰囲気が流れ込みます。
道はゆるやかなスロープになっており、各住戸の玄関との間に高低差が生じるため、通りを歩いている人と住んでいる人との目線は同じレベルにはありません。
そのちょっとした距離感のずれが、居心地の良さにつながっています。
外壁には、かつてあった建物と同様のベージュに近い色を選択。
「神宮前マンション」の名前もフォントも以前のままにし、建て主様も、引き続き2世帯4世代で住まわれるとのことです。