Interior Idea
interior idea 28 コンパクトな心地よさ〈カウンターデスク〉
限られた居住空間の中でパーソナルスペースの確保に苦心したり、家族がそれぞれの部屋にいて会話が少なくなっていたり──そんな悩みもカウンターデスクが解決するかもしれません。部屋を増やすわけにはいかなくても、場所を取らないカウンターデスクが“居場所”を作ります。
リモート会議が一般的になったとき、家のどこで繋げばいいのか、ノートPCを抱えて自宅の中をウロウロした人も多いのではないでしょうか。子どもが大きくなって自分の部屋を明け渡したり、そもそも家の中に「自分のためのスペース」がなかったり。どんなに狭くても、人はパーソナルスペースを持つことで心が落ち着くものです。
逆に家族がそれぞれの部屋で過ごすことが多ければ、会話も減ってしまいます。カウンターキッチンが作業中の対面を可能にしたように、カウンターデスクがちょっとした空間に居場所を作ることで、距離が近づき会話も増えるかもしれません。
カウンターデスクは広いスペースが不要なので、リビングの一角はもちろん、柱の陰やスキップフロアなど、デッドスペースを活用できるのが最大のメリット。このコンパクトさがかえって落ち着く効果にも。
また、壁に向かって設置すれば集中しやすく、窓に向かって設置すればリラックス空間になるでしょう。シェルフや観葉植物などで仕切れば半個室のようにもできます。
ただスペースがあるからと設置するのではなく、使い方を事前にしっかり考えておきましょう。例えばひと口に「ワークスペース」と言っても、会社の仕事、リモート会議、キッチンやランドリーなどの家事仕事、趣味の作業では、それぞれに適した設置場所も、天板や椅子の大きさ・高さも、照明、電源、収納など必要な環境も変わってきます。
カウンターデスクは一度設置してしまうと変更が難しいので、用途や動線、模様替えの可能性などもよく考えて計画しましょう。
〈写真協力〉