不動産・建設関係のトレンド
これからの部屋探しは SNSが主流?
住まい探しの情報収集は、店頭や情報誌に代わってインターネットが主流になっています。SNSを日常的に利用する人が増えた近年は、若い世代を中心に「住まい探しもSNS」という人が急増しています。その実際や今後の展開について考えてみましょう。
SNSはもはやインフラのひとつ
誰でも手軽に情報発信でき、相互にコミュニケーションを取れるWebサービス、SNS。代表的なものではFacebookやTwitter(現・X)、Instagramがあり、LINEやYouTubeもSNSに数えられます。
SNSの利用状況について総務省の昨年の調査*1では「生活や仕事のうえで活用が欠かせない」が16%、「便利なので積極的に活用している」が27.5%、「利用したことがある」が25%で、合わせて68.5%もの人がSNSを使っていることが分かります。世代別に見ると、最も利用率が高いのは20代。世代が上がるにつれて割合は低下するものの、60代でも約半数がSNSを使っています。
企業や国、自治体もSNSを積極的に活用し、若い世代は何かを調べるときももうGoogleで「ググる」のではなく、SNS
で検索する方が「今」がわかるといいます。
約3割はSNSで住まい探しを経験
では不動産業界におけるSNSの活用状況はどうでしょうか。不動産会社を対象にした調査で「今後伸びると思う集客方法」について聞いた質問では、「ポータルサイト(アプリ含む)」(42.8%)や「ホームページ(」21.7%)などを大きく超えて、1位は「SNS」で57.8%。
しかし「自社でSNSを運用しているかどうか」を聞くと「運用していない」が65.1%に上ります*2。SNSを運用していない理由で最も多いのは「担当できる社員がいないから」でした。
同じ調査で、1年以内に住まい探しをした人に「住まい探しで使った情報収集の方法」を聞いた設問で「SNS」と回答した人はすでに31.3%、およそ3人に1人。これは「店頭」(17.9%)や「チラシ・タウン情報誌」(17.7%)、「展示場」(12.4%)より高い割合で、すでにSNSは住まい探しのツールとして定着しつつあると言えるでしょう。
特に若い世代にとってその傾向は顕著です。20歳前後を中心とするいわゆるZ世代において、その約14%が「SNSで見つけた部屋を契約した」、約20%が「SNSで見つけた部屋に問い合わせをした」と回答しているアンケート結果もあります*3。
SNSの活用は不動産業界にとっても、情報発信や新しい顧客獲得、顧客サービスに欠かせないものとなってきています。
物件紹介はリアルが伝わる動画も人気
総務省が主なSNSの利用率を調べた調査*4では、2022年にInstagramが48.5%と、初めてTwitter(現・X)を抜きました。Instagramの年代別の利用率は10代で72.3%、20代で78.6%と若い世代に親しまれていることが分かります。また、企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート*5でも、社外向け情報発信ツールとして活用しているSNS媒体のトップは「Instagram」(21.0%)でした。
Instagramは写真だけでなく動画の投稿も多く、視覚的・感覚的に情報やメッセージを伝えやすいのが特徴です。建物の外観や部屋の細部を内見しているような視点で見せたり、家事を想定した実際の動線やPRポイントなども分かりやすく伝えられます。
SNSで物件やエリアの情報を発信するには、効果的な「#(ハッシュタグ)」の利用も重要です。これはキーワードで分類・検索する機能で、例えば「#賃貸マンション」「#(駅名やエリア名)」を投稿に入れておくことで、ユーザーは関心のある情報やアカウントを絞り込むことができます。
膨大な情報の中から見つけてもらうために、センスの良い写真や雰囲気の良いショールームの動画というだけでなく、実況やテロップ入りで臨場感があるもの、収納や水回りの設備といった気になる点を重点的に紹介する内容など、各社さまざまに工夫を凝らしています。いかに印象に残り、知りたいところがよくわかり、問い合わせなど次の行動へスムー
ズにつなげられるかが重要なポイントです。
不動産業界ではまだSNSを十分に活用できていない現状はあるものの、それだけにいち早く取り組みを始めることで他社と差別化を図り、新しい顧客層にアプローチできる可能性を秘めています。新しいSNSが生まれたり、変化する社会や消費者ニーズに合わせ、柔軟な対応が集客の鍵となるでしょう。
媒体に合わせたコンテンツで積極的なSNS活用へ
株式会社ユニホーでは、商品やサービス、住まいのご提案などを発信するにあたり、積極的にSNSを活用しています。
Instagramでは写真や動画で住まい選びや暮らしに役立つ豆知識などを、Twitter(現・X)では公式ホームページの更新や商品・サービスの最新情報をいち早く発信。YouTubeでは販売中物件から施工実績まで商品やサービスを動画でご紹介するなど、媒体やユーザーの特性に合わせて活用し、細やかな情報発信に役立てています。