ZEN CLUB

2023年 08 月号 Number. 556

ZENグループ施工実績FILE39 CUBE西麻布

西麻布の交差点のすぐ近く、地下を日比谷線が走る都心の工事 コンクリート打ち放し、エコサーム、無足場工法でスマートな建物に

東京都港区 2019年6月竣工  設計・監理:村上まみ・榎本幸男/バウ・ビルト

敷地は六本木通りに面しており、その地上面から3.5m下を地下鉄日比谷線が走っているという難問がありました。

当然その部分は杭を打てず、工事前の1年間、東京メトロと協議を重ねて杭の位置を調整し、既存家屋解体後には試掘も行い、可能なところに杭を多く打つことになりました。

また東隣の建物との隙間がなく、どこまで敷地を有効に使えるかが第二の命題でした。大通りは都バスも走っており、昼間の道路使用許可はおりません。夜間もまた、ここ西麻布は飲食店が多く周辺の理解を得にくいのです。

そこで建物の裏、建築基準法第42条第2項により「建築基準法上の道路」とみなされる「2項道路(にこうどうろ)」に着目。放置自転車やバイクが山積していましたが、既存建物の解体時にそれらのクリーンアップ大作戦も行われました。

内外の壁はコンクリート打ち放し。北側前面道路側はファサードのデザイン優先のため足場を建てた通常の施工を行い、内断熱。西側と南側は「エコサーム(東邦レオ)」という湿式外断熱工法を施しました。

西側と北側の間がヒートブリッジとなることを防ぐため、内断熱と外断熱のラップを取り、内断熱部は石膏ボードで覆っています。足場の組めない東側は、安全で効率的な施工ができる「無足場工法」を採用。3つの工法を駆使したスマートな建物が完成しました。

建築施工の専門店である建築屋「辰」株式会社 辰
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