ZEN CLUB

2023年 05 月号 Number. 553

西も 東も 南も 北も ところ変われば水変わる 地域で変わる味のトリビア
<初鰹>

初鰹

日本では昔から初物を珍重してきました。初物は旬の走り。おいしさや季節感だけではなく、「初物を食べると75日寿命が延びる」といって、旬の時期に栄養価が最も高まることを経験として知っていたのでしょう。

この季節の初物といえば、なんと言っても初鰹。鰹の旬は年に2度あり、3月頃九州南部から太平洋岸を北上する鰹が初鰹。5月には本州中部、夏頃には三陸から北海道南部に到達します。

秋になって水温の低下に伴い、南下してくる鰹が戻り鰹。どちらもオメガ3脂肪酸やタウリン、鉄分を含み栄養豊富ですが、餌をたっぷり食べている戻り鰹は脂がのっているのに対し、初鰹は赤身の部分が多くさっぱりしているのが特徴です。